読書:否定しない習慣

トラウマの振り返りをした際に、親に否定ばかりされていたなあと思った時に目に入ったので買った本。

 

経営者層へのコーチングを行っている方が書いた本で、顧客とより良い関係を築くための方法として「否定しない」という方法が良かったよという話。いわゆる心理的安全性的な話だと思う。褒めて伸ばすという言葉もあるが褒めるというのは上下の関係の話なので、ビジネスシーンでよくある対等な関係では使いづらいのだろうというのは想像できる。

 

いわく、否定の大多数に「悪意」はないと言う。相手のためを思ってとか、間違いを指摘しただけとか、正論を言っただけとか、無意識で言っただけとか。これは自分もトラウマの振り返りを行った際に、親は否定ばかりしてきたが「悪意」は無かったんだと理解が出来たので納得のいく話だった。

しかし、生きていれば間違いを指摘せざるを得ない場面もあると思うが、この本では言い方次第で相手を否定せずに考えを改めてもらえると書いてある。実践するのは難易度が高いと感じたが、納得の行く方法ではあったので気になる方は読んでみるとよいと思う。

 

今まで読んだ自己啓発本の中では理解しやすかったと思うが、それはこの本に「本当に困ったこと」を期待していなかったからだと思う。親に否定されたという事実の裏付けが欲しかっただけ。

この本も例に漏れず「原因」については振れていないが、今回は「原因」を知りたくて読んだわけじゃないのでそれが良かったんだと思う。自己啓発本はなんだかモヤモヤしているような段階で読むものであって、本当に困った時に読んでるようでは遅いんだなあと感じた。今後あまり自己啓発本を読むことはないと思うが、もし読むならモヤモヤ段階のモノにしてみようと思う。本当に悩んでいることは、本ではなくまずは専門家への相談にすべきだろう。